黒豆茶は妊婦さんも飲める?ノンカフェインの理由と注意点
記事の監修
管理栄養士
安藤
老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。

妊娠中はいつにも増して水分補給が大事。
そんな妊婦さんにおすすめの飲み物の一つが黒豆茶です。
黒大豆だけで作られた黒豆茶はノンカフェインなので、妊娠中にカフェインを控えたい方にも選びやすいお茶です。香ばしく自然な甘みがあり、温かくしても冷やしても楽しめるのも魅力。
この記事では、黒豆茶をおすすめする理由、妊娠中の飲み方と注意点、選ぶ時のポイントの順にお伝えします。あわせて、黒豆茶の効果効能として研究されている内容を補足し、妊婦さんに関係するQ&Aにもお答えします。
妊婦さんに黒豆茶をおすすめする理由:
黒大豆だけの黒豆茶はノンカフェインだから

原材料が黒大豆のみの黒豆茶は、茶葉などカフェインを含む原料を使っていないため、ノンカフェインのお茶です。
香ばしく自然な甘みがあり、毎日の飲み物にしやすいお茶です。
カフェインを控えたい妊婦さんにも選びやすい飲み物といえます。
妊娠中のカフェインについて、厚生労働省のQ&Aは、海外の機関の助言を紹介しています。
英国食品基準庁は、妊婦がカフェインを摂り過ぎると、出生児が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性があるとしています。2008年には、妊娠した女性のカフェインを1日200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)に制限するよう求めました。
現在の公式ページでも、英国のNHSの案内は同じ1日200mgまでです。
カナダ保健省は、過剰摂取が不眠症、頭痛、イライラ感、脱水症、緊張感を引き起こすとして、妊婦や授乳中の女性に注意を求めています。2010年には、妊婦、授乳中の女性、妊娠を予定している女性について、1日300mg(マグカップで約2杯)までとしました。
カナダ政府の現在の案内も、妊娠中、授乳中、妊娠を予定している人は同じ1日300mgまでです。
いずれも海外の機関による助言です。厚生労働省のQ&Aによると、カフェインを一生涯摂り続けても健康に悪影響が出ないと推定される一日摂取許容量は、日本でも国際的にも設定されていません。
妊婦さんが黒豆茶を飲むときの注意点

黒豆茶はカフェインを含まないお茶です。一方で、原料が大豆の一種である黒大豆のため、妊娠中に知っておきたい点があります。
食品安全委員会によると、大豆イソフラボンは、化学構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ていて、エストロゲンの受容体を介して作用します。妊娠動物に高濃度の大豆イソフラボンを与えた試験では、胎児の生殖機能への影響などを示唆する報告がありました。
食品安全委員会は、大豆や大豆食品を普通の食品形態でバランスよく食べるよう案内しています。
いわゆる健康食品やソイプロテインでは、通常の食品より多くの大豆イソフラボンを摂ってしまうことがあるため、注意を呼びかけています。
黒豆茶は、大豆の一種である黒大豆が原料です。大豆アレルギーのある人は、原材料の表示を確認し、かかりつけの医師に相談してから飲むと安心です。
では妊婦さんが黒豆茶を飲む場合、一日の摂取量のめやすはどれくらいが良いのでしょうか。
一日の摂取量の目安やおすすめの飲み方は?
妊娠中の黒豆茶は、杯数の数字よりも、次の2点を目安にすると選びやすくなります。
- サプリメントや特定保健用食品で、大豆イソフラボンを重ねて摂らない
- 原材料が黒大豆のみで、ブレンド茶ではないかを、原材料欄で読む
この2点を目安にする理由は、次のとおりです。
食品安全委員会は、大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限を、アグリコン換算で70~75mgとしています。この数字は大豆イソフラボンの摂取量の目安で、黒豆茶の杯数にそのまま当てはめるものではありません。
妊娠中については、食品安全委員会は、特定保健用食品として大豆イソフラボンを日常の食生活に上乗せして摂ることを、推奨できないとしています。
黒豆茶に含まれる大豆イソフラボンの量は杯数ごとには示されていないため、上限の数字と杯数を比べることはできません。
持病や体調で気になることがある場合は、かかりつけの医師や助産師に相談すると安心です。
妊婦さんが黒豆茶を選ぶ時のポイント

黒豆茶を選ぶときは、原材料の表示が手がかりです。
この章で、妊婦さんが黒豆茶を選ぶときのポイントを3つお伝えします。どれを重視するかは、原料や栽培、産地についての好みに合わせて選べます。
選び方1. 遺伝子組み換えでないものを選ぶ
遺伝子組換えの原料を避けたい人は、原材料の欄の表示が手がかりになります。
日本では、遺伝子組換え食品は国の安全性審査を受けたものだけが販売できます。
黒豆茶を選ぶときは、原材料の欄に「遺伝子組換えでない」などの表示があるかを見ると、原料を選びやすくなります。
選び方2. 有機JASマークが付いているものを選ぶ
食品に残る農薬は、国が残留基準を定めていて、基準を超える食品の販売は法律で禁止されています。
それでも「できるだけ農薬の少ないものを…」と考える妊婦さんもいるでしょう。
そんなとき、商品を選ぶ基準にしたいのが「有機JASマーク」の有無。
農薬や化学肥料などの化学物質に頼らず、自然界の力で生産された食品にのみ、このマークを付けることが許されています。
黒豆茶を選ぶ際は「有機JASマーク」の有無も、購入するかどうかの判断基準にしてみてはいかがでしょうか。
有機JASマークがない食品は、「有機」「オーガニック」と表示できません。法律で禁止されているためです。商品ページやパッケージで、マークの有無を確認できます。
参考文献:
食品中の残留農薬等|厚生労働省
参考文献:
有機食品の検査認証制度|農林水産省
選び方3. 国産のものを選ぶ
意外かもしれませんが、農林水産省の解説(2016年6月号)によると、アメリカやブラジルは大豆の2大生産国ですが、国内で食用に使われる大豆は1割もありません。
おもに油脂やバイオディーゼル燃料、家畜の飼料として消費されます。
その一方で、日本では昔から豆腐や納豆、みそ、しょうゆなどを好み食文化を育んできました。
産地は、原材料の表示で見分けられます。国産の原料かどうかは、産地を見て選びたい人の目安になります。
参考文献:
特集1 大豆(1)|aff(あふ)2016年6月号|農林水産省
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かわしま屋の商品を見る >>黒豆茶の効果効能として研究されていること:
冷え性・便秘・むくみ

黒大豆ポリフェノールに代表される黒豆茶の栄養成分には、冷えや便秘・むくみに関する研究があります。調べられているのは、黒大豆の成分や抽出物、食物繊維です。
なお、黒豆茶に含まれるくわしい栄養成分や一般的な効果効能については、こちらの記事で紹介しています。
黒豆茶の効果効能|ダイエットの強い味方!? 作り方もご紹介
黒豆の栄養を手軽に摂れることで人気の黒豆茶。「黒豆茶の効果効能は?」「カフェインは入ってる?」「作り方を知りたい!」この記事で効果効能を中心に、気になる情報を幅広くお届けします。
黒豆茶の効果効能の記事を見る
効果効能1. 冷え性

冷えについては、黒大豆の種皮の抽出素材を調べた研究があります。
紹介する研究は、冷え症と判断された女性4名に、抽出素材を1回だけ摂ってもらい、冷水に手を浸けたあとの体温の回復を比べたものです。抽出素材を摂ったほうが、体温の回復が早まりました。
調べたのは黒大豆の種皮の抽出素材で、人数は4名です。
参考文献:
黒大豆ポリフェノールの抗酸化作用と血流改善作用|日本醸造協会誌 108巻6号(2013)
効果効能2. 便秘

妊婦さんは便秘になりやすいとされています。
原因としては、妊娠中に増えるプロゲステロンというホルモンの一種が腸の働きを弱めたり、大きくなった子宮が腸を圧迫することが挙げられるようです。
食物繊維には、便通を助ける働きがあります。
食物繊維に抗便秘作用があるという報告は、食物繊維を多く含む食品全般についてのものです。
煎茶を調べた研究では、飲用する浸出液に出てくる水溶性食物繊維は、茶葉に含まれる量の2割程度でした。
食物繊維をより効率的に摂取したい場合は、煮出した後の黒豆も食べると良いでしょう。
参考文献:
食物繊維|レビュー・トピックス特集 辻啓介氏
茶に含まれる食物繊維の機能性について|人間生活文化研究 Int J Hum Cult Stud. No.28 2018
効果効能3. むくみ

妊娠後半期は、循環血液量やホルモンが変わり、むくみが出やすくなります。
むくみについては、黒大豆ポリフェノールを調べた研究があります。
紹介する研究は、むくみを自覚する女性20名に、黒大豆の種皮から取り出した抽出物か偽薬を摂ってもらい、朝と夕方の脚の体積を測って、増えた体積を比べたものです。
妊娠中のむくみは、むくみだけで妊娠高血圧症候群と診断されることはありません。
参考文献:
黒大豆ポリフェノールのむくみ改善作用を発表|フジッコ株式会社
妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)|母性健康管理に関する用語辞典|厚生労働省
黒豆茶についてのQ&A
- 妊婦です。黒豆茶にカフェインは絶対に入っていないのでしょうか。
- 原材料に黒豆のみを使用した黒豆茶はノンカフェインです。市販品の中にはカフェインを含む他のお茶とブレンドされたものもあるため、原材料の欄を見ると、黒豆のみの黒豆茶かどうかが分かります。
- 妊婦のイソフラボン摂取は危険と聞きました。黒豆茶を飲んでも大丈夫でしょうか?
- 黒豆茶はノンカフェインなので、妊娠中にカフェインを控えたい方にもおすすめできる飲み物の一つです。
食品安全委員会が妊娠中に推奨できないとしているのは、特定保健用食品として大豆イソフラボンを日常の食生活に上乗せして摂ることです。黒豆茶は黒大豆を原料にした飲み物で、濃縮した大豆イソフラボンではありません。
杯数の考え方は、上の「妊婦さんが黒豆茶を飲むときの注意点」で説明しています。
- 大豆アレルギーがあります。黒豆茶を飲んでも大丈夫でしょうか?
- 黒豆茶は、大豆の一種である黒大豆が原料です。大豆アレルギーのある方は、原材料の表示を確認し、かかりつけの医師に相談してから飲むと安心です。
- 黒豆茶が妊活中や不妊治療中によいと聞きました。
- 東洋医学では、「腎」に優しい黒豆を摂ることが、妊娠しやすい体作りにつながるという考え方があるようです。
- 授乳中にも黒豆茶はおすすめですか?
- 原材料が黒豆のみの黒豆茶はカフェインを含まないお茶なので、授乳中の飲み物の選択肢になります。体調や服薬が気になるときは、かかりつけの医師や助産師に相談すると安心です。
- 黒豆茶を自分で作ろうと思っています。おすすめの作り方はありますか?
- 黒豆茶の作り方の記事で、豆を煎って作る方法をご紹介しています。
黒豆茶の効果効能|ダイエットの強い味方!? 作り方もご紹介
黒豆の栄養を手軽に摂れることで人気の黒豆茶。「黒豆茶の効果効能は?」「カフェインは入ってる?」「作り方を知りたい!」この記事で効果効能を中心に、気になる情報を幅広くお届けします。
黒豆茶の効果効能の記事を見る
●管理栄養士からのコメント
香ばしくて自然な甘みがおいしい黒豆茶。ノンカフェインで健康、美容面でも嬉しい成分が豊富なので、日々のお茶の時間に取り入れてみてはいかがでしょうか。

管理栄養士プロフィール
◎安藤
老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。
2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。
また「食を見直すならまずは毎日使う調味料から」をコンセプトに地元愛知県三河のみりんや味噌などの伝統的な調味料の素晴らしさを伝えるセミナーなども開催。
食や栄養に関すること全般ですが特に
・調味料について(みりん、味噌や醤油などの製法やどんなものを選ぶと良いかなど)
・体に優しいスイーツの選び方、作り方
・ダイエットレシピの考案
・時短レシピの考案を得意としています。
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